演劇の理想的な上演時間ってどのくらい?時間と娯楽のつながり
時間って不思議ですよね。同じ時間を与えられていても人によっては長くも短くも感じられますし、楽しい時間ともなると本当にあっという間という…。
今回はそうした「娯楽をたしなむにあたっての理想の時間」について、時間と密接に関わる娯楽(おもに演劇)をもとに掘り下げていきます。
演劇。さまざまな演技や演出で観客に笑いや感動を届ける、まごうことなき舞台企画。直接見たことがない人でも、演劇がどういったものであるのかは大体の人がご存じなのではないでしょうか?
演劇と一言でいっても、起承転結を踏まえた古典的なものはもちろん
などいろいろあります。役者さん(キャスト)やスタッフの試行錯誤と努力によって作られた、躍動と臨場感あふれる舞台芸術文化、それが演劇です。
文化祭では演劇というと、基本的には演劇部や演劇サークルによる本格的なタイプの演劇と、それ以外の寸劇(学校によっては「クラス演劇」)の二種類に分けられることが多いと思います。
ちなみに筆者はどちらかというと寸劇が割とお気に入りなのですが、これにはいくつか理由があります。詳しくは後ほど…。
筆者は文化祭で何度か演劇の企画を鑑賞しているうちに、ふと気になった点があります。それは、演劇作品に対する印象(評価)はどのように決まってくるのか?ということです。
…と言っても、あらかじめ断っておくと筆者は別に評論家でも何でもありません(苦笑)。文句を言うどころか、むしろ自分にはできないことを平然とやってのける役者さんの勇姿を見るだけで、尊敬の念や武者震いすら感じてしまいます。
それでも演劇の印象を左右するポイントがあるとすれば、それは役者さんの演技でも裏方の演出でも、はたまた内容(脚本)でもなく、案外「上演時間の長さ」によるのではないかと筆者は考えています。
たとえば一般的な文化祭の演劇だと、一回の公演で平均的に約30分~45分程度であるところが多いです。先ほど紹介した朗読劇や寸劇は、そのおよそ半分の約15分~20分程度のものが多くを占めます。
これらを長く感じるか短く感じるかは人にもよりますが、「舞台ものは未経験だけど、何でもいいから一度は鑑賞してみたい」という人は、手始めに寸劇からふれてみるのがオススメですね。
逆に上演時間が変に長すぎると(個人差もありますが)筆者のような初心者は途中でだれてしまいかねないので、演劇を見るときは演出や演技よりも、むしろテンポに重きをおきたくなるのかもしれません。
特に子どもなどが途中で飽きてしまったりすると、演劇を見る側も行う側も途端に気まずくなってしまいますしね…(苦笑)。実際にそうした光景を過去に目の当たりにしたことがありますが、子どもはいろいろな意味でやっぱり正直です。
一方でプロの舞台公演ともなると、多少時間が長くてもそれを演技(演出)の迫力や秀逸な脚本で引き込んでカバーするので、そこも含めてやはりプロは別格なのだと痛感します。
演劇に限らず、あらゆる娯楽には人が快適に感じられる時間、すなわち「集中力の持続時間」というものが大よそ決まっているとされています。
よく勉強や課題に取り組むにあたって、頭が効率よく回転する時間には限りがあると言われるように、娯楽をたしなむうえでもそうした理想的な時間が存在するはずです。時間が適度に定められた娯楽は、探してみると思いのほか結構見受けられます。
いくつか代表的な例をあげてみると
このような感じになると思います。
なお、これらは予算や役者、スタッフらの労力を考慮したうえでの時間設定である可能性もあります。それでも平均時間から察するに、これらが世間的にも「娯楽を集中して楽しめるちょうどいい時間」として認識されていることはほぼ間違いありません。
特に「音楽」はわかりやすく、一曲で5分はまだしも倍の10分近くにも及ぶような曲だと、さすがに聴いているうちに眠くなってしまう人もそれなりにいたりもしますよね。
人を飽きさせずにその場に留める(引きつける)というのは、単純なようでそれだけむずかしいということなのでしょう。
これまでに生きてきた中で、何か一つでも時間を忘れるほどに夢中になれるものがあったとしたら、それは奇跡的な出会いと言っても過言ではありません。と言っても、そうした出来事は大抵は幼少期に集中することが多いのですが(笑)。
本格的な演劇でメリハリのある印象深い内容にするためには、やはり最低でも30分はあったほうが望ましいのでしょう(たった10分や20分で観客を感動させるというのはさすがに無理があると思うので…)。
また、上演時間を20分程度に収めるのであれば、それこそお笑い要素が主体でテンポよく展開させる「寸劇」に振り切った方がよさそうにも感じます。
寸劇は短時間の上演でも印象に残りやすい上に、コント仕立てな内容も相まって、役者の楽しげな感じがストレートに伝わりやすいという意味でも気軽に鑑賞できるのでオススメです!
文化祭の演劇はその性質上、基本的に途中の入退場がしにくい(もしくは不可)なことが多い企画なのですが、その点と時間の長さが災いして、本格的なものとなると初心者の人にはどうしてもハードルが高めな印象が拭えないこともあります。
せっかく中身がどれほど傑作でも、拘束時間が長いために敬遠されてしまっては元も子もありません。演劇単体によるイベントであればともかく、文化祭の場合は見どころが多い分だけ他の企画に目移りしやすいため、なおのことそのように感じてしまいます。
これは筆者の提案ですが、10分や20分で笑いを十分堪能できる寸劇があるように、30分で感動を味わえるコンパクトな演劇があったら、初心者の人でもとっつきやすくて面白いのではないかと考えています。先ほど紹介した例でたとえるなら、アニメを一話分楽しむような感覚に近いですね。
30分とはそれこそ、本当の初心者や子どもでも許容できる、絶妙かつギリギリな時間配分であるようにも思えます。実際にそのような凝縮された演劇を過去に一度見かけたことがあるのですが、まだまだ数が少ないようにも感じるため、筆者としてはもう少し幅広く普及・浸透してくれたらうれしいです。
また、観客の立場からすれば、あらかじめ余裕をもったスケジュールを組んでおくことも大事になってくるかと思います。
時間に追われて別のことを考えていては楽しめるものも楽しめなくなってしまいますし、何より落ち着いた心持ちで鑑賞を楽しむのは、観客側にできる最低限のマナーでもありますね。
理想的な時間といっても、これらは平均から導き出された一つの目安に過ぎません。30分の演劇でも冗長に感じてしまう人もいれば、その二倍の1時間以上にわたる公演でも物足りなく感じる人もいるはずです。
ですが何が求められるか、何が理想的かなんてことは実際にやってみないことには何事もわからないものです。変に考えすぎていてもキリがないからという理由もありますが(笑)。
それこそ演劇にならうように、アドリブで臨機応変に動いた方が何事も新鮮味があって楽しいはずです。時間に縛られるのではなく、むしろ時間を味方につける姿勢であるくらいがちょうどいいのかもしれませんね。
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文化祭の音楽の企画から学ぶ!「ライブ感」のだいご味
今回はそうした「娯楽をたしなむにあたっての理想の時間」について、時間と密接に関わる娯楽(おもに演劇)をもとに掘り下げていきます。
時間とエンターテインメントの関わり
演劇の概要、文化祭における演劇
演劇。さまざまな演技や演出で観客に笑いや感動を届ける、まごうことなき舞台企画。直接見たことがない人でも、演劇がどういったものであるのかは大体の人がご存じなのではないでしょうか?
演劇と一言でいっても、起承転結を踏まえた古典的なものはもちろん
- 独創的な歌や踊りを随所に取り入れた「ミュージカル」
- 短時間で展開されるコント仕立ての「寸劇」
- 親御さんも安心のほんわかとした「人形劇」
- 台本をもとに声だけで物語を進行する「朗読劇(ラジオドラマ)」
などいろいろあります。役者さん(キャスト)やスタッフの試行錯誤と努力によって作られた、躍動と臨場感あふれる舞台芸術文化、それが演劇です。
文化祭では演劇というと、基本的には演劇部や演劇サークルによる本格的なタイプの演劇と、それ以外の寸劇(学校によっては「クラス演劇」)の二種類に分けられることが多いと思います。
ちなみに筆者はどちらかというと寸劇が割とお気に入りなのですが、これにはいくつか理由があります。詳しくは後ほど…。
演劇は上演時間の長さで作品の印象が変わってくる?
筆者は文化祭で何度か演劇の企画を鑑賞しているうちに、ふと気になった点があります。それは、演劇作品に対する印象(評価)はどのように決まってくるのか?ということです。
…と言っても、あらかじめ断っておくと筆者は別に評論家でも何でもありません(苦笑)。文句を言うどころか、むしろ自分にはできないことを平然とやってのける役者さんの勇姿を見るだけで、尊敬の念や武者震いすら感じてしまいます。
それでも演劇の印象を左右するポイントがあるとすれば、それは役者さんの演技でも裏方の演出でも、はたまた内容(脚本)でもなく、案外「上演時間の長さ」によるのではないかと筆者は考えています。
たとえば一般的な文化祭の演劇だと、一回の公演で平均的に約30分~45分程度であるところが多いです。先ほど紹介した朗読劇や寸劇は、そのおよそ半分の約15分~20分程度のものが多くを占めます。
これらを長く感じるか短く感じるかは人にもよりますが、「舞台ものは未経験だけど、何でもいいから一度は鑑賞してみたい」という人は、手始めに寸劇からふれてみるのがオススメですね。
逆に上演時間が変に長すぎると(個人差もありますが)筆者のような初心者は途中でだれてしまいかねないので、演劇を見るときは演出や演技よりも、むしろテンポに重きをおきたくなるのかもしれません。
特に子どもなどが途中で飽きてしまったりすると、演劇を見る側も行う側も途端に気まずくなってしまいますしね…(苦笑)。実際にそうした光景を過去に目の当たりにしたことがありますが、子どもはいろいろな意味でやっぱり正直です。
一方でプロの舞台公演ともなると、多少時間が長くてもそれを演技(演出)の迫力や秀逸な脚本で引き込んでカバーするので、そこも含めてやはりプロは別格なのだと痛感します。
時間と娯楽の関係について
よく勉強や課題に取り組むにあたって、頭が効率よく回転する時間には限りがあると言われるように、娯楽をたしなむうえでもそうした理想的な時間が存在するはずです。時間が適度に定められた娯楽は、探してみると思いのほか結構見受けられます。
いくつか代表的な例をあげてみると
- 音楽:一曲につき平均で約5分(一般的な邦楽の場合)
- アニメ:一話につき平均で約25分(CMなどを除くと約20分)
- ドラマ:一本につき平均で約50分(CMなどを除くと約40分)
- 映画:一作品につき平均で約2時間(CMなどを除くと約1時間半)
このような感じになると思います。
なお、これらは予算や役者、スタッフらの労力を考慮したうえでの時間設定である可能性もあります。それでも平均時間から察するに、これらが世間的にも「娯楽を集中して楽しめるちょうどいい時間」として認識されていることはほぼ間違いありません。
特に「音楽」はわかりやすく、一曲で5分はまだしも倍の10分近くにも及ぶような曲だと、さすがに聴いているうちに眠くなってしまう人もそれなりにいたりもしますよね。
人を飽きさせずにその場に留める(引きつける)というのは、単純なようでそれだけむずかしいということなのでしょう。
これまでに生きてきた中で、何か一つでも時間を忘れるほどに夢中になれるものがあったとしたら、それは奇跡的な出会いと言っても過言ではありません。と言っても、そうした出来事は大抵は幼少期に集中することが多いのですが(笑)。
本格的な演劇と文化祭は相性が悪い?
再び演劇の話に戻りますが、演劇は基本的に「観客を感動させること」が目的のエンターテインメントであるため、その分だけ時間も必然的に要されることになります。本格的な演劇でメリハリのある印象深い内容にするためには、やはり最低でも30分はあったほうが望ましいのでしょう(たった10分や20分で観客を感動させるというのはさすがに無理があると思うので…)。
また、上演時間を20分程度に収めるのであれば、それこそお笑い要素が主体でテンポよく展開させる「寸劇」に振り切った方がよさそうにも感じます。
寸劇は短時間の上演でも印象に残りやすい上に、コント仕立てな内容も相まって、役者の楽しげな感じがストレートに伝わりやすいという意味でも気軽に鑑賞できるのでオススメです!
文化祭の演劇はその性質上、基本的に途中の入退場がしにくい(もしくは不可)なことが多い企画なのですが、その点と時間の長さが災いして、本格的なものとなると初心者の人にはどうしてもハードルが高めな印象が拭えないこともあります。
せっかく中身がどれほど傑作でも、拘束時間が長いために敬遠されてしまっては元も子もありません。演劇単体によるイベントであればともかく、文化祭の場合は見どころが多い分だけ他の企画に目移りしやすいため、なおのことそのように感じてしまいます。
これは筆者の提案ですが、10分や20分で笑いを十分堪能できる寸劇があるように、30分で感動を味わえるコンパクトな演劇があったら、初心者の人でもとっつきやすくて面白いのではないかと考えています。先ほど紹介した例でたとえるなら、アニメを一話分楽しむような感覚に近いですね。
30分とはそれこそ、本当の初心者や子どもでも許容できる、絶妙かつギリギリな時間配分であるようにも思えます。実際にそのような凝縮された演劇を過去に一度見かけたことがあるのですが、まだまだ数が少ないようにも感じるため、筆者としてはもう少し幅広く普及・浸透してくれたらうれしいです。
また、観客の立場からすれば、あらかじめ余裕をもったスケジュールを組んでおくことも大事になってくるかと思います。
時間に追われて別のことを考えていては楽しめるものも楽しめなくなってしまいますし、何より落ち着いた心持ちで鑑賞を楽しむのは、観客側にできる最低限のマナーでもありますね。
まとめ
- 娯楽にはそれぞれ、理想的な(快適に感じられる)時間というものが大よそ決まっている
- 演劇の場合は30分〜45分が一般的な上演時間であり、寸劇や人形劇、朗読劇はそのおよそ半分の10分〜20分である傾向が強い
理想的な時間といっても、これらは平均から導き出された一つの目安に過ぎません。30分の演劇でも冗長に感じてしまう人もいれば、その二倍の1時間以上にわたる公演でも物足りなく感じる人もいるはずです。
ですが何が求められるか、何が理想的かなんてことは実際にやってみないことには何事もわからないものです。変に考えすぎていてもキリがないからという理由もありますが(笑)。
それこそ演劇にならうように、アドリブで臨機応変に動いた方が何事も新鮮味があって楽しいはずです。時間に縛られるのではなく、むしろ時間を味方につける姿勢であるくらいがちょうどいいのかもしれませんね。
次の記事↓
文化祭の音楽の企画から学ぶ!「ライブ感」のだいご味
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